こんにちは!
みなさんは感染症でどういった検査値をモニタリングしますか?
CRPや好中球、体温、呼吸数・・・など様々あると思いますが今回はフェリチン、血清鉄に注目してみます。
感染がおこるとフェリチンは上昇し、血清鉄は低下します。
今回その理由について考えてみましょう!
感染時の鉄の動き
細菌の生存、増殖には鉄が必須です。
細菌は生体内でトランスフェリン、フェリチンから鉄をキレートしたり、ヘムを直接取り込むことで鉄を確保しています。
感染時には、生体防御は血清鉄を低下させる方向に働こうとします。
そのために肝臓はヘプシジンを産生し、鉄動態を変化させます。
ヘプシジンの働き
ヒトでは鉄輸送にフェロポルチンが関与します。
フェロポルチン:「細胞からの鉄イオンの排出」を担う膜輸送体タンパク質
機能①:腸管で食事吸収された鉄を血管へ輸送する
機能②:マクロファージから鉄を遊離させる
ヘプシジンは肝臓で産生されるペプチドホルモンで、フェロポルチンの発現を抑制することで血清鉄を低下させます。
そのため、感染時にはヘプシジンの働きが活発になり、血清鉄は低下します。
また、鉄の輸送体が減少することでトランスフェリンは上昇します。
まとめ
結論
感染がおこる
↓
細菌は増殖のため生体内の鉄を利用する
↓
生体は鉄を与えないように防御する
↓
ヘプシジンが活発に働く
↓
フェロポルチン(鉄輸送体)が減少する
↓
①食事からの鉄吸収が低下する
②マクロファージからの鉄遊離が低下する
↓
血清鉄は低下、フェリチン(貯蔵鉄)は上昇する!
いかがでしたか?
感染時の鉄の動きの理由がわかったのではないでしょうか?
ただ、感染時は検査値の動きも重要ですが、体温などのバイタルなど、実際の患者の状態を確認することを忘れてはいけませんね!
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